インターネットで購入したアルバムは、
海外発送につき1週間かかった。
このマーティヴィルは日本人が多くて、暮らすには
言葉にも困らないし、快適な地区だと言える。
でもやっぱり、食材(何と書いてあるか分からない)や
衣類(基本的に大きい)や、車線(左右逆)と
カルチャーショックを毎日受けている。最近やっと慣れてきた。

時々ブロックパーティーさながらの
ストリートパフォーマンスや
公園にヤンギャンが溜まっていたり
するのを道端で見かけたり
工場のスモッグで曇った空を見ると
三角公園を思い出す。大阪の空を思い出す。


間新しいCDをPCにセットするが、声を聴く自信がない。
早く音源を聴きたいのは山々なのに。
とりあえず、ジャケットからカードを開く。

歌詞について言えば
環境・資源問題、著作権やレーベルゲート問題、
いじめ、無機物のオゾン層破壊、といった世界規模な内容。

そこに忘れずメカマニー根本を
そっと加えてもいるし、
何気に本人も嗜んでいる携帯ゲームの話題、
またフェルナンデスや対外選手の
名言・名プレイなどを
引用するといったスポーティなツボも
必須で配置し、いつもに増して核心的な仕上がりになっていた。


ここに挙げたのは私が感じ取る事ができた
ほんの一部のメッセージだから、
また他の誰かが聞けば違った側面が見えるのだろう。
まるでルービックのように、いろんな表情を持っている。
それから、こっそりと暗号を潜めるのも得意で、
掛詞や、韻に隠語、もちろんdisも注入されている。

謎めいたものに
非常に疎く、弱い私には
大半が察知できない。
(某R探偵の謎解きにしても
小〜中学生レベルの問題が
返って解けなかったりするもんだから、
ハルキに「石頭」とか「花果山」とか
言われてしまうのだろう。)



きっと彼の中で
一番意思を伝えたい世代は
10代なんだと思う。
それを汲み取ってもらえるのは
もしかしたら10数年後かもしれないけど、
それでも、それまで覚えていてほしいと
常日頃思っている。


全ての年齢層に響く曲作りのためには、
全ての人のツボを探し出し、そこを突く。
これはきっと常人に出来る事ではない。
そして、
全人類が求めているのはやはり「愛」であるから、
今回の作品はすごく、強調されたそれが入っていた。


愛を語る音楽。

レゲもラガも、教えてくれたのはかかしだった。
一つ覚えで濃い所のヒップホップばかり
押さえていた私には、まるで温かいスープか
ソウルフード、こんなにハートウォーミング
する音楽は他に見つかりそうにない。

そこにラップが乗る。
昔は叙情的なんていわれ方もしていた。
それは褒め言葉でも、不本意だったに違いない。
今では具体化の権化だ。ごまかしたり一切していない。

先輩であるtiger氏の結婚を祝福する様な
あったかい曲、後輩に対する恋愛?エール
ソングや、パウダーとの熱い掛け合いもあった。
情に厚い所は相変わらずみたいだ。

私が一番好きなのは10番目。
曲名は忘れたけどサンプリング元は
どこかで耳にしたことがある。
スーパーノヴァならぬスーパーコズミック
サウンド使いであり、優しいお兄さん的存在で
思慮深いDJカルア氏の提供曲。
かかし以上に彼の声質、トーン、
歌いやすいBPM、曲調を分かっているんじゃ
ないかと思ってしまう。
それ程に声と音がフィットする。気持ちが良い。


それら珠玉の中に一曲、
全く私の知らないかかしが混じっていた。
いや、この言い方はおかしい。
前から言ってる様に
かかしは私のものじゃない。全てを知っているわけでもない。

それは世に言うラブソングだった。
ごく一般的な男女について詠っている。
切なく、でも希望的観測に溢れた曲だった。
何のひねりもなく、また韻は踏んでいるものの
hiphopでもない。ポップなのだ。
だからどうした、やるときはやる男だよね
と、誰かが言ってきそうだけど、違和感を
感じた以上どうしようもない。

星の数ほど居るポップアーティストに対して、
ラップの星は数個しかない。そうずっと
思ってきた私は了見が狭くて、それ以上に聴く事が出来なかった。
否定しているわけじゃない。ただ、心配。
彼がどんな表現をしても、また誰かにされても、
私は必ずかかしの味方でいるに違いないのだから、
諭す事など絶対にない。
けど、心配でたまらない。
日本へ戻りたい。出来る事なら先に進みたい。。。






去年からずっと聴いている曲がある。




あの感触、あの顔、あの匂い、
この曲を聴いていると全て頭に
浮かんでくる。想像できる。

確か去年の初夏だったろうか。
会心の出来だと喜んでいましたね。
順番を付けていいなら
私は今までで一番だと思っています。

この曲は私に
空を見つめさせてくれた。
上を向かせてくれた。
自分も身丈以上に
飛べるんじゃないかって
思わせてくれた。
晴れた日も雨の日も
どっちつかずな曇りでさえも、
自分のペースを掴めと教えてくれた。
感謝しています。


志は、高く
常に上を見上げて歩いていかなければ。

こっちの空港へ着いて
まず一番にしたことは空を見比べる事。
日本と変わらない高さの、そして広さの空。
眺めていると大きな白い鳥が一羽、
真っ青な空を横切っていった。

深呼吸してみる。アメリカの空気。
日本と違う香りは、しない。
これは同じ気体が、
巡りめぐって
流れているからなんだろう。

そう思うと、決して遠くはない。
心はこんなに離れてしまったけど、
同じ地球の上に居られる奇跡を、信じたい。
 
馬鹿みたいだけど。
あぁそうだ。
私は馬鹿なのだ、きっと。



短いスタンスで見つめると、いつも
すれ違って、別れて、また出会って、泣いて
時に笑って、抱き合って、そうして心が苦しくて、
その繰り返しだけど、
人生全部を長い目で見たらどうだろう?
絶対、絶対苦しい事じゃない。


辛い夜の明けない日はないように、
悪い事が重なってもまた
ハッピーが巡ってくるから歩ける。
決して負けない貴方を知っているから。
恐い顔作ってまた前に進むなら、
決して弱くならないで。

いつまでも、意地張ってでも
明るい声を聞かせて欲しい。






今日から私は新しい私に
なる事を決めた。





つづく

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